僕は高校の同級生と、毎年お盆のこの時期に、
男だけの夏旅というものを計画している。
始まったのは、高校生の頃、それから毎年連続で1度も途切れることなく実施しているので、かれこれ14年目になる。(僕は1度だけ仕事で欠席したことがあったから13回目。)
移動手段はというと、初年度が原付旅に始まり、大学生になると中型バイク旅に、一通りバイクいじりに飽きた20代後半からは専ら車移動だ。
若い時には20人近く集まっていた大所帯な男旅も、近年では10人を切ることも多くなり、1台の車で行く方が何かと効率的なので、マイクロバスをレンタルする傾向にある。
今年も8人と少なかったのでマイクロバスで1泊2日、関西圏からアクセスし易い「滋賀」へ行くことになった。
毎年、出発前に旅行の内容を細かく決めているが、今年はそこまで企画に熱を入れる余裕がなかった。
みんな仕事も家庭もあるので、1泊5,000円の素泊まりのペンションだけ何とか予約して強行した。
決まっている唯一のテーマは
『ギャンブル旅行』
滋賀でギャンブルと言えば
「ボートレースびわこ」
ここで僕らが行く時期に、「びわこカップ」というでかい大会を開催しているらしく、そのレースに皆のお金を集めて全員で賭けて、勝って、うまいもん食って、雄琴で湯めぐりして、琵琶湖でBBQして、どっかの川に飛び込んで遊ぶっていうざっくりした計画だった。
基本的に車の運転は下戸がするので、他の7人は朝からビール飲み放題。
9時過ぎに出発し、渋滞に捕まりながらボートレース場に到着したのは昼過ぎ。
もちろんレースはすでに始まっていた。
ボートレースびわこは、尼崎のボートレース場とは比べ物にならないほど綺麗で、客層も良いとは言えないが、悪くはなかった。
競馬場なら馬好きのギャルも多く見かけるが、さすがにボートレース場にギャルはいない。
そりゃそうだ。
「8人組のギャルがいればなー」なんて期待するだけ無駄だった。
んなもんいるわけがない。
直前までみんなで相談して賭けるとか約束していたものの、いざbetが始まると全員が個人で賭け出した。
結局そこから5レース連続で個人戦が続き、ラストゲームだけ全員で一気に賭けて、一発で負けた。トータルで見ても全員2万円弱負けた笑
もし勝てば7,000万の配当とかに賭けて夢見てたので負けて当然っちゃ当然。
その興奮に2万円払ったと言い聞かせて割り切れた。
汗もかいたし、気を取り直して雄琴温泉で湯めぐりしてサウナで〆ようと思ったが、温泉がまあ少ない。
というか「ない。」
スーパー銭湯みたいな温泉はあるが、そういうのはどこにでもあるし、もっと湯めぐりできる温泉街を期待していたのに、そういう類は一切見当たらなかった。
近くには有名な「歓楽街」があり、いわゆる第二種マッサージが受けられるお店がとても多かった。
湯めぐりできるような温泉街はなし・・・
雄琴温泉っていうのはただの風俗街なのか???
じゃらんの全国湯めぐり20選で調べてもノミネートはされていない。
結局、誰一人「雄琴温泉」が温泉街か歓楽街なのか分からなかったので調べることにした。
「雄琴温泉」は「おごと温泉」に改名
昭和40年以降の雄琴温泉には、大量の第二種マッサージが受けられるお店が相次いでオープン。
その利用客が温泉街に流れ込むという恩恵は受けたものの、『雄琴』=『風俗街』というイメージから、女性客や修学旅行客らが全く寄り付かなくなった。かつては28件あった雄琴の温泉旅館は、わずか10件に減少した。
その対策として、今から10年ほど前、滋賀の観光協会は「雄琴」=「歓楽街」というイメージを払拭するため、署名などを4年集めて、JRの駅名を「雄琴温泉」から「おごと温泉」に変えた。
これを機に生き残った温泉旅館は、京都に最も近い温泉街をPRに打ち出した。
全ての旅館が「認定近江牛指定店」に登録したり、外観を大幅にリニューアルして増築するなど、家族や女性が楽しめる新しい「温泉街」としての魅力を掲げ、変貌している最中だという。
ただ、雄琴の街自体に観光地としての目玉はない為、ホテルに宿泊していない立ち寄り客は、その新しい魅力とやらを体験することはできない。
僕らはというと、仕方なく近くの「あがりゃんせ」という脱衣所の狭い普通のスーパー銭湯に入った。
お風呂の後は、近くの近江牛が食べれる焼肉屋を予約しようとしたが、どこも満席。
焼肉は諦めて普通の居酒屋を予約するも満席。
どこにでもあるチェーン店のお好み焼き屋まで行列ができている。
明らかに、店の数が足りていない。
結局1時間程待って、近江牛が食べれる居酒屋で食事をした。
その後はベロベロに酔っ払ってあまり覚えていない。
2日目は琵琶湖のほとりでBBQをしようとしたが、
区画を借りるのに1人1,000円。
定価1,980円くらいのBBQピットと炭のレンタルで1人1,000円。
高くね??
自分が宿泊した素泊まりペンションの前で、
ただ「BBQの機材を借りて琵琶湖に入る」という行為に合計16,000円も払うのは余りにも馬鹿馬鹿しい。そこから材料費もかかるわけだ。
近くに良さげな川もなかった為、地元に戻ってBBQをすることにしたが、帰りにまたボートレース場に立ち寄って1レースだけ全員で5万円集めて賭けた。
負けないように手堅く賭けたのに、よりによって1番人気が転覆してまた負けた笑
周りのおじさん達(ほぼおじいさん)も汚い野次を飛ばしていた。
僕らも飛ばしていた。
地元に戻ってBBQの食材調達の為にスーパーへ入り、「あれがいるこれがいる」と買い物カゴに食材を詰めてるうちに、だんだん準備が嫌になって、BBQもやめて近江牛を出す焼肉屋に行った。
滋賀で食べたのよりうまかった。
まとめ
要するに、おごと温泉が推す「おごと」を堪能したければ、生き残った旅館やホテルを予約し、旅館が提供する近江牛を楽しみ、ホテル内の温泉に入り、琵琶湖クルーズなどのオプションに参加するという方法しか選択肢はない。
やはりそれなりにお金もかかる。
何よりそんなプランは男旅にふさわしくない。
もちろん第二種マッサージをメインで考えるなら話は別だが、「風俗なんてタダじゃないなら絶対行かない」という考えの僕らには、「おごと温泉」でなければならない理由はどこにもなかった笑
最後に
ボートレースは6艇が競争するだけの単純な競技だが、とても奥が深くて楽しい。
また行きたいと思える場所だった。
そして、マンガ「モンキーターン」で読んだ知識はかなり役には立った。(負けたけど)
このマンガは、ギャンブルとしてではなく、レーサー視点で物語が描かれている。
実際のレース中に「今、何が行われていて、どんな駆け引きがあるのか」を楽しむ為のバイブルと言っていい。
ボートレースに行くなら必読。
行かないとしても、ストーリー自体が面白いからおススメ。
なにー?絵が古い?
大丈夫すぐ慣れるから。