裂き8年、串3年、焼き一生といわれる鰻の世界。
室町時代から江戸時代を経て、現代の蒲焼へとその伝統は受け継がれてきましたが、地方によりその製法に違いがあるのです。シンプルだからこそ、奥が深い料理です。
僕は小さい頃からうなぎが大好き。
丑の日でなくとも食べたい思いは山々ですが、いかんせんお値段がお高いのでなかなか敷居が高い。
しかし、うなぎ屋「魚伊」には、つい足を運んでしまいます。
府外に住んでいる僕でも知ってるくらいですから地元民から長年愛されるうなぎ店の歴史は計り知れず…
今回は、百貨店でも販売される程の人気と信頼と実績を兼ね備えた名店の味に迫ります。
魚伊(うおい)本店
引用:http://www.sumiyaki-unagi.com/
創業以来、活きたうなぎを一尾一尾開き、串を打ち、関西焼き製法で備長炭の手焼きにこだわった炭焼きうなぎ一筋の専門店です。
大阪市/関目にある魚伊本店は、慶応三年から続く歴史あるお店。
店内はかなり広いですが、いつ行っても満席で、特に土日は鬼混み!!昼は予約ができないので並ぶしかありません。
客層も様々で、家族や老夫婦、サラリーマン等、色んな人がやってくる、地元で根強く愛される名店です。
関西焼のうなぎを求めて、関東からの来客も多いのだとか。
関西焼と関西焼
うなぎの焼き方に違いがあることをご存知でしょうか?
武士の都「江戸」と商人の町「大阪」とでは蒲焼のつくりかたにも違いがあるのです。
関東焼
関東焼は背裂きにして、二つに切ってから、竹串に刺して、皮の方から焼き始めます。その為、両端が肉厚で真ん中の肉は薄め。
焼く前に「蒸す」という工程があるので柔らかくてフワフワした食感が特徴です。
関西焼
関西焼は腹裂きにして、頭をつけたまま金串に刺し、豪快に焼きます。
焼く前の「蒸す」はないので脂がのっており、身も皮も外側は焼き目でパリっとしているのが特徴です。
世のうなぎ好きの方々は、この焼き方についてお互いの優位性を主張しあっており、どちらか一方に優劣をつけるのは困難です。
僕の個人的な意見としては、関東焼きは身が柔ら過ぎるので、しっかりとした食感が欲しくなります。
一方関西風は、焼き方が難しいようで焼く人によって味や食感が左右されますが、信頼できる職人の焼きであれば、ほどよく身の食感を残し、しっかりとした味わいが楽しめます。ひっきりなしにくるくる回転させながら焼くのが関西焼。
魚伊のおしながき
一番安い「うな重」は、肝吸い・漬物が付いて1,950円
これだとうなぎが2/5尾しかなくて、少し物足りなさを感じます。
物足りないというか、鰻が足りません。ご飯が余ります。
重を注文するなら「上」か「特上」をおススメします。
日替わり定食は1,550円と良心的。
かき揚げなどの日替わりのおかずと、ミニうな重がついてきます。
魚伊定食
魚伊の代表する定食です。
ご覧ください。この程よくついた焼き目を!!
外側はパリ、中はふわっと口に入れた瞬間に溶けていきそうな鰻です。
「鯛」と「鮪」のお刺身がついていますが、この鯛の身がプリップリでまたうまい!!
「う巻き」も出汁が効いていて卵と鰻がよく合います。
4,550円とお高いですが、たまにはいいじゃないですか。
尚、ご飯大盛りは+50円で全て可能です。
最後に
魚伊は接客も素晴らしく、いつも急がしそうですが、必ず笑顔で丁寧に対応してくれます。
ここまで褒めちぎっていますので、欠点を敢えて申し上げます。
それは立地です。
本店のある関目は小さな町工場が集まる下町なのですが、うなぎを食べに行く以外は何もすることがありません。店舗周辺も老人率の高い普通の住宅街で、目ぼしいものは本当に何もないので、観光ついでに立ち寄る際は覚悟してください。
決して安いお店ではありませんが、大阪に来た際は、地元民から愛される「魚伊」で関西焼のうなぎを是非ご堪能あれ!
本店へのアクセス
〒535-0031
大阪府大阪市旭区高殿4-8-10
TEL:06-6953-3707
無料駐車場有
営業時間:11:00~14:00/16:00~22:00(LO21:00)
定休日:第2火曜日
天五店へのアクセス
〒530-0041
大阪市北区天神橋5-5-5
TEL:06-6882-3547
営業時間:11:00~15:00/17:00~22:00(LO21:00)
定休日:無休
通販でも購入できます。
「魚伊」公式HP