実は、インド映画の年間制作本数はアメリカよりも遥かに多い。
インド人にとって映画とは予想以上に必要不可欠な存在であり娯楽であり、映画館で映画を見ることは身近なイベントなのである。
あなたはご存知だろうか?インド人の映画館の楽しみ方を。
日本の映画館は、ストーリーに集中するため、私語や席を立つような行為はマナー違反。
ポップコーンを食べる音にさえ気を使わなければならない。
インド人の映画館での振舞いは全く違う。
大声で喋るだけでなく、感情表現も当たり前、歌のシーンは一緒に歌い、踊り、鳴り物まで持参する者も!!
インド人にとって映画とは、我々日本人が想像する『映画』とは違った形のエンターテイメントなのである。
そんなハッピーエンドでミュージカル系映画が大好きなインド人が、世界中で大ヒットを飛ばした映画『バーフバリ』。
今Amazon primeで視聴可能な、インド映画史上最高の興行収入を得たこの映画について熱く語りたい。
バーフバリ
この映画は、2015年に『バーフバリ/伝説誕生』が制作され、2017年に続編にあたる『バーフバリ/王の凱旋』が公開された2部作。
バーフバリ/伝説誕生(Amazon prime無料配信)
引用:バーフバリ/伝説誕生公式HPより
制作:2015年:インド
監督:S・S・ラージャマウリ
上映時間:137分(長い!!)
あらすじ
青年シヴドゥは、大きな滝の下にある集落で育ち、いつか滝の上にある世界を目にしたいと思っていた。ある日、ついに滝の上にたどり着いた彼は、女戦死アヴァンティカと出会い心を奪われる。彼は彼女とその一族がバラーラデーヴァの収める王国と戦っていることを知り、戦いに参加する。やがて彼は、母親が25年も幽閉されていることと、自分が王国を引き継ぐ運命を背負った王子バーフバリであることを知る。
バーフバリ/伝説誕生の見どころ
大雑把なストーリーと派手な戦闘シーン。子どもが偉大な運命に導かれて悪を倒す!!
ありがちな映画の展開で、驚くような謎解きや意外なストーリー性は特にない。
しかし、映画が始まってから137分、長い時間その映画をぶっ通しで見ていても飽きることはない。
なぜなら、この映画の余りあるエンターテイメント性が、ありがちな設定を凌駕しているからである。
引用:バーフバリ/伝説誕生公式HPより
息をつく暇もないほどのテンションとパッション。赤ん坊を抱えて逃亡する老婆の姿から始まる本作は、もはやクライマックス級の盛り上がり。
老婆は激流の川へ逃げ込み、赤ん坊を守るため凄まじい死を遂げる。
その赤ん坊が成長し、自分の血筋を知らないまま大人になり、実は王の子であったと判明する。物語の後半は、父親である王の回想シーンへ・・・
ここからは怒涛のワイヤーアクションとCGを駆使した戦闘シーンになるが、王である主人公の強さが異常。
笑ってしまうくらい強いし、ありえないような展開にもなるが、一つ一つのアクションに驚きとアイデアがある。まさにゲームの『三国無双』や漫画の『キングダム』状態。
戦闘が激化するに連れ、この映画の見方は『肩肘張らず、ただ素直に楽しむ』であることに気付く。
そして飽きることなく、見続けていると、テレビドラマのように余りにも唐突に寸断され、次回作へ続く・・・
え、終わり?
この作品をリアルタイムで見ていたら、きっと2が待ちきれずストレスを抱えていたに違いない。
しかし、昨年すでに2は公開されている。
すぐに続きを見なければ!!
と探すも、Amazon primeの無料欄にない。Huluにもない。
くそー金取んのかよ、でも我慢できん、課金してやるー!!
299円支払って続編である『バーフバリ/王の凱旋』も見た。
この時すでに頭の中ではこう叫んでいた。
バーフバリ!!バーフバリ!!
バーフバリ/王の凱旋(Amazon prime有料配信)
引用:バーフバリ/王の凱旋公式HPより
制作:2017年:インド
監督:S・S・ラージャマウリ
上映時間:141分(長い!!)
あらすじ
蛮族カーラケーヤとの戦争に勝利して、マヒシュマティ王国の王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、ある小国の王女デーヴァセーナと恋に落ちる。しかし王位継承争いに敗れた従兄弟バラーラデーヴァは邪悪な策略で彼の王座を奪おうとする。
25年後、自らが伝説の王バーフバリの息子であることを知った若者シヴドゥは、マヘンドラ・バーフバリとして暴君バラーラデーヴァに戦いを挑む。
バーフバリ/王の凱旋のみどころ
まず、第2部(完結編)のテーマを一言で表すと『なぜ信頼していたカッタッパがバーフバリを殺したのか?』
これに尽きる。
この暗殺が、完結編の最大の争点である。
今回は圧倒的な戦闘シーンに加えて、従兄弟の策略に胸糞を覚えるなど、ストーリー性も加わっている。また、前作では明かされていなかった謎も明らかになり、前作を見たのなら見ない理由がない程の内容だ。
ただし、今作も『肩肘張らず、ただ素直に楽しむ』が大前提である為、難しく批評しながら見ようとすると、とんでもなくつまらない映画になってしまうので注意も必要だ。
特に戦闘シーンにおいては、ありえなさレベルも一段と増しており、『キングダム』から『ドラゴンボール』へと進化?している。
特に物語の後半、超絶に長かった回想シーンが終わり、王の息子が宿敵バラーラデーヴァと戦いを繰り広げるシーン。
あと一歩のところで取り逃がし、跳ね橋を失ったバーフバリは王都への進入を阻止されてしまうのだが、城壁を越える為にとった作戦に大爆笑必至!!
なんて雑な作戦なんだ!!
しかし細かいことは気にせず、世界感に身を委ねるのがこの映画を楽しむコツ。
全て受け入れよ!!
見事王都奪還した後も、その後の余韻に浸る間もなく、エンディング!!
アドレナリン全開のシーンに極限まで注力し、無駄な部分は割愛した。というのがこの映画のコンセプトであり、監督のこだわりなのだろう。
念のため、相関図
引用:バーフバリ/王の凱旋公式HPより
感想
この映画のヒロインはとても美人ではあるが、主人公は今ひとつパッとしない。
2枚目?とは言いがたいのだが、ストーリーが進むにつれてバーフバリが最高に格好良く見えてくる。
文中でもお伝えしたように、バーフバリの第一作目『伝説誕生』はAmazon prime会員で向けに無料配信されている。しかし第二作目『王の凱旋』はまだ無料配信はされておらず、視聴には299円の課金が必要だ。
それくらい払っても全く後悔しない作品である。
できることなら映画館で見たかった。
最高に優しくて、まさに最強。
私達が求めているのはそんな絶対的なヒーローなのかもしれない。
『バーフバリ!!バーフバリ!!』
誰からも愛される男、バーフバリの生き様をとくと見よ!!
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